660nmの抗炎症作用
最近になり『新型コロナウイルス感染で重症化するときには免疫暴走が起きている』ということがハッキリしてきたようです。
悪さをする何者かが体内に侵入して来たときに、免疫の働きを高めるインターロイキン6(IL-6)という物質が体内で分泌されて免疫能力が高まるのですが、それが過剰に分泌されると、免疫細胞はウイルスに感染した細胞だけでなく、正常な細胞も攻撃し炎症を拡大してしまうことが起きるのです。これを免疫暴走(サイトカインストーム)と言います。
IL-6は、炎症を拡大する作用を持つことから「炎症性サイトカイン」とも言われます。
逆に炎症を抑える作用を持つサイトカイン(たとえばIL-10)も存在し、これを「抗炎症性サイトカイン」と呼びます。
炎症性サイトカインの働きをブロックするために薬物が処方されることが主流ですが、意外に知られていないのが光の作用です。
サンパウロ大学(ブラジル)の研究者等は、赤い光線(波長660nm)が炎症を抑えることを確認しており、IL-6,IL-10などの物質が光の作用に関わっていることを明らかにしています。
●方法
一般的な実験用マウスをA,B,Cの3つのグループに分けた。
- Aグループ:対照グループ(何も処置しない)
- Bグループ:75日間たばこ煙に晒し肺炎症性疾患を誘発させた
- Cグループ:75日間たばこ煙に晒し肺炎症性疾患を誘発させた後、光線(660nm、30mW、3J/cm2)を15日間照射した
●結果
- Bは、Aに対し、炎症性サイトカイン(IL-6)の増加、炎症を促進する好中球の活性化が見られた。
- Cは、Bに対し、炎症性サイトカインの減少、抗炎症性サイトカイン(IL-10)の増加、治癒の加速につながる免疫細胞が活性化などが見られ、肺炎症性疾患が軽減された。
●結論
- 低レベル光線療法は、肺炎症性疾患の有望な治療アプローチとして提案できる。
●出典
エクボ株式会社では、660nmの光源を開発し、2019年まで
会員向けに頒布していました。
主に実験的用途で使用され、様々な業種の方から高く評価されました。